VLamaxとポラライズドトレーニング

06-おすすめ

日々、仕事の愚痴みたいなブログを書いているのだが、結構毎日見に来てくれている人もいるようなので、たまには有益な情報でも書こうかなと思う。

さて、今回紹介するのは、最近自分が始めているトレーニングに関して。

まず、トレーニングというのは自分の目的に沿った形で行う必要がある、と俺は考えている。また、闇雲にやるよりは、何かしらの裏付けがあったやり方をした方が、効果が出ても出なくても納得がいく。

別段速くも無い、俺のトレーニングに関する説明を見たところで時間の無駄、かもしれないが、今回、紹介するのはVLamaxやポラライズドトレーニングに関してなので、もし、興味がある、という方がいたら読んでみたら少しくらいの参考にはなるかもしれない。

ただ、これらは資料が無く、国内外のサイトで調べて自分なりに解釈した事を書くので、興味が沸いた人は、再度自分なりに調べてもらいたい。

さて、始めようか。

まず、自分のトレーニングの目的だ。

俺は、このブログのタイトルにもあるように、基本的にはヒルクライムが好きで山をロードバイクで登っている。どうせヒルクライムをするのであれば、少しくらいは速く登れるようになれば楽しいだろう、という事で、どうすれば速く登れるのか?を調べた。

色々な資料や本を読んで分かったのは、パワーウェイトレシオを上げる事。そのために、FTPを上げる必要がある。

では、何をすればFTPを上げる事が出来るのか?

一般的で、一番ポピュラーなのは「SST走」。

アマチュアトップヒルクライマー達が、自分達のトレーニング方法を紹介した本では、SST走をやっていればFTPなんてあっという間に300Wを超える、と書いてあったので、愚直に20分SST走、または20分全力走を1日1回やり続けていた。

2年くらいやって、FTPは210Wくらいから254Wまで上がった。が、それ以上は上がらなくなった。

う~ん、、、と思って、300Wなんてあっという間に超えると言っていた人たちのツイッターをフォローさせてもらったりして、どのようなトレーニングをしているのか?を調べた見たら、SST走を一日4回位やっていた w。

そう、やっている量が全く違っていたのだ。

ならば、俺もSST走をやる回数を増やせば良い、という発想に行きつくのだけど、仕事TSSが大きすぎて、一日1回以上はやる気が起こらない。

なので、もうSST走でこれ以上FTPを伸ばすのは無理やな、という結論に至った。

、、、で、他の方法を考えよう、と思っていた時に始まったのがツールドフランス。

今年のツールドフランスはワウト・ファン・アールト選手がものすごく強かった。余裕でグリーンジャージを獲っていたが、イエロージャージも獲るのではないか?という位の勢いだった。

シクロクロスの世界王者なので、確かに強いだろうという事は分かっていたのだが、それは1時間~2時間程度のレースの話で、ツールドフランスのような6時間以上あって、何日も続くようなレースでここまでの強さを発揮するとは思っていなかった。

これは、アスリートをやった事がある人なら理解できるかと思うのだが、陸上で言えば、トラックの中距離でトップクラスの選手が、マラソンでもトップクラスで走るのと同じくらいのインパクトなのだ。根本的に身体を作り替えなければ対応できるものではない。

で、どのようなトレーニングを行っているのか?という点に興味が沸いて、色々と調べたところ、トレーニング内容の詳細までは分からなかったが「VLamaxを下げるようにした」という記事にたどり着いた。

これが、俺がVLamaxに触れたきっかけだった。

では、Vlamaxとは何か?を説明していこう。

V = Volume uptake over time
時間経過に伴うボリューム

La = Lactate
乳酸

Max = maximum
最大

という意味である。個々に眺めても意味が分からない。
繋げると「時間経過に伴い生産できる、乳酸の最大ボリューム」という意味になる。

言い換えると、いかに効率的に乳酸を作り出すことができるのか、という事を表したのがVLamaxの値という事になる。

この値が大きければ大きいほど、乳酸を効率的に作り出すことが出来る。

乳酸というのは、一般的に筋肉を使用した時に筋肉に溜まる疲労物質として認識されている。

乳酸はどのようなメカニズムで発生しするのか?をまずは考えてみる。

乳酸は体内のブドウ糖、つまり糖質をエネルギーに変えた時に発生する。そして、その時に発生するエネルギーは大きい。

でも、体内のブドウ糖の量は限られているので、長続きはしない。

これが乳酸が発生するメカニズム。そして、この様な代謝を解糖系と言ったり、嫌気性代謝と言ったりする。

嫌気性代謝は無酸素運動で起こりやすい。ロードバイクで言えば、スプリントなどがそれに当たる。

逆から遡って言うと、ロードバイクのスプリントには無酸素運動か必要となる。無酸素運動をすると嫌気性代謝(解糖系代謝)が起こり、乳酸が発生し易くなる。その結果、爆発的なパワーは出せるが、体内のブドウ糖か直ぐに消費され、長続きはしない。

更に言い換えると、スプリントなどの爆発的なパワーを出すためには、効率的にブドウ糖をエネルギーに変える必要がある。つまり、効率的に乳酸が生成される事になる。

なので効率的に乳酸を生成する能力を値とするVLamaxが高ければ高いほど、爆発的なパワーを出せる身体になっている、と言える。ただし、長続きはしない。

競輪など、トラック競技で短期決戦で勝負する競技ではVLamaxは高い方が良いと言える。

では、ロードレースの様に長時間のパワーを出さなせればならない競技ではどうか?VLamaxの値は低い方が良い。

つまり、乳酸を効率的に作らない身体が必要となる。

乳酸を効率的に作らない、つまり体内のブドウ糖をあまり使わない。ならば、何を使ってパワーとするのか?

脂質を使う事になる。
脂質を使って作り出されるパワーは爆発的な大きさは無いが、カリカリな身体でない限り、体内に豊富にある(少なくともブドウ糖よりは)ので、長続きする。

これを好気性代謝と言ったりする。好気性代謝は有酸素運動で起こる。

なので、ロードレースの様に長時間運動をする様な競技ではVLamaxが低い方が良い。

VLamaxの値を低くするには体質を変化させる必要があるため、短期間で低くさせる事は出来ない。

では、ロードバイク選手はVLamaxの値が低ければ低いほど良いのか?と言われると、そうでも無い。

出場するレースのプロフィールによっても異なる。ラストがスプリント勝負になるのか?ヒルクライム主体のレースになるのか?個人レースか?チームレースか?

ターゲットとしているレースによってVLamaxの値を調整しているらしい。

VLamaxの値はどの様にして計測するのか?血中の乳酸の値を計測している。安静時の乳酸の量と、15秒全力スプリント直後の乳酸の量を比較している。

簡単には計測できないので、アマチュアレーサーなどは、取り敢えずVLamaxの値は低い方が良いんだな、程度で理解しておけば良いだろう。

これが、VLamaxの説明で、ワウト選手がシクロクロスの時の高いVLamax値をツールに合わせて低く人してきた、という説明にも納得いく。

ちなみにVLamaxが低い方がFTPは高くなるらしい。

では、どの様にすればVLamaxは低くなるのか?それは、低強度で長期間走る事。高強度で走ると嫌気性代謝が起こってしまい、乳酸が発生してしまう。それではVLamaxは低くならない。

好気性代謝が起こる低強度でのトレーニングが必要となる。

では、低強度の練習って何がある?と調べてみたところ、最近、聞く様になってきたポラライズドトレーニングにたどり着いた。

ポラライズドとは、二極化された、という意味がある。

ポラライズドトレーニングはメニュー的なものではなく、トレーニングの概念を表すものと俺は理解している。

全体のトレーニングの80%を低強度で行い、残り20%を高強度で行う。これがポラライズドトレーニング。

ここで言うところの、強度とは何を示すのか?

自転車では強度を表す指標は、ペダルを踏む力であるワット、と心拍数の二パターンがある。

ポラライズドトレーニングで言う強度は、心拍の事を言う。

何故なら、ポラライズドトレーニングはマラソンやスイミングでも活用されるから。

次に、低強度と高強度の違い。

低強度は最大心拍の60〜70%で、高強度は90%以上を言う。

全体のトレーニングのうちの80%が低強度。残りが高強度。この全体のトレーニングの期間はどれくらいの期間を言うのか?

明確な記載がなかったが、恐らく1週間単位。

一ヶ月単位では長過ぎるし、1日単位でも無さそう。なので、例えば1週間で10時間トレーニングを行うのであれば、8時間を低強度、2時間を高強度に充てると言う事になる。

80%も低強度で良いの?と思うかもしれないが、残りの20%の高強度が意外とキツい事が分かる。

週10時間トレーニングする人であれば、2時間も最大心拍の90%以上の領域に居なければならない事になる。

え?キツいやん、無理やん、と思って調べたら、2時間、まるまるその領域にいる必要は無いらしい。

つまり、高強度練は頻度で良い。少し分かりづらいのだが、、通常、高強度練を行う時はウォームアップやクールダウン含めて行うので、その時間も含めて良いらしい。

例えば
最大心拍の70%でウォームアップを15分、90%で5分、休憩を70%で5分、これを4セット。クールダウンは70%で15分。

実質、90%以上にいる時間は20分だけど、これで1時間高強度練をした事にしても良いらしい。

これがポラライズドトレーニング。

高強度をやる意味はイマイチ分からないけど、筋力向上や、心拍の最大値を上がる意味があるのかもしれない。

低強度をやり続けると、VLamaxが低くなる事と同時に、体内のミトコンドリアが増えるという効果もある。

ミトコンドリアは脂質をエネルギーに変えてくれる役割があるばかりか、乳酸もエネルギーに変えてくれる。

ポラライズドトレーニングで重要なのは中強度に入らない事。気持ちよく走れるのは結構、中強度やったりするが、頑張って低強度に留まる必要がある。

これが最近、俺が始めているトレーニングで何故やっているのか?という説明。

トレーニングには正解は無いし、ここで説明したのは、あくまで俺が腹落ちして始めているトレーニングというだけの話。

興味が湧いた人はもっと調べてみてください。


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