Audible で俺たちの箱根駅伝を聞いた。著者は半沢直樹で知られる池井戸潤である。
この小説もインドのSSKさんのおすすめである。
基本的に他人が良いと薦めてくれたものは何でも飛びつこうと思っている。
面白いと感じる背景には何かしらの理由があり、それは実際にその体験をしなければ分からないものである。そして、同じ体験をするとやはり面白いものである。ゴルフもその一つである。
何かしら面白いものをイチから開拓して発見するよりは、色々な人たちが、これは面白いとレビューをしてくれたものに飛びつくのが手っ取り早い。
まあ、面白い事を開拓するそのプロセスこそが面白いという人もいるのだろうが、俺にはない。笑
さて話を戻すと「俺たちの箱根駅伝」はやはりものすごく面白かった。
是非ドラマ化してもらいたいものではあるが、ただ、こういったスポーツものはドラマ化した時に、陳腐化してしまうことが恐ろしい。
それが故にスポーツものはドラマ化されないのだと思う。
例えばロードバイクで何かしらドラマを作ったとしよう。そうすると必ずロードバイクを趣味としてる目の肥えた連中がライディングフォームなど色々なところに対して指摘をしてくる。
生半可、目が肥えているものだから、そのストーリーを楽しみにしていたとしても、そういった技術的な面が目についてしまい100%楽しめない可能性が高い。
「俺たちの箱根駅伝」もドラマ化はして欲しいが、一方でドラマ化して欲しくないという思いもある。
そういった類の小説やった。
この小説を読んでものすごく熱いものを感じ、日本の陸上競技界における箱根駅伝というものの「重さ」というものも理解できた。
まあ全ての競技に言えることだとは思うが、スポーツではアマチュアでは究極的にはオリンピック選手、その先を目指すとすればプロ選手が目標になると思う。
ただし、そのような舞台に上がれる者はひと握りである。
例えばどの競技でも自分の年代で怪物と呼ばれる者はいると思う。それは身近な者でも、全国区の話でも構わないが、とにかく自分の中でこいつはもの凄いと思う奴でも、その境地にはたどり着けない。
オリンピックやプロは、そういった世界なのである。
では、そういった所を目指させない者達は競技をしてはいけないのだろうか?いや、決してそうではない。
陸上の中長距離の世界では、おそらく箱根駅伝というのがアマチュアが目指す1つの大きな舞台なんだろうと思う。
それにかける者たちの想いというのがこの小説を読んでいて感じた。
実際、このような小説の通りに事が運ぶことはあまりないと思う。なぜならこの物語に出てくる登場人物よりも過酷な練習を当然のように他のチームをやってるわけで、この物語の内容はたまたま全てのピースがうまく繋がっただけなのかもしれない。
しかし、小説として読むには非常に「熱くなるもの」が所々に散りばめられていた。
これで箱根駅伝の見方も少し変わると思う。
この様に、人生における物の見方というものを変えてくれるような小説というのは色々とあると思う。
正直、仕事が忙しすぎて小説を読む事はこの10年間ほとんどなかった。
これからはオーディブルを使って色々と本を読んでいこうと思う。
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