ロードバイクに乗って本格的に走っていると耳にし始めるFTP。
FTPを上げる簡単な目安を紹介しましょう。ただ、俺自身もFTP247Wでそれほど高くないので、それなりに読んでもらえればと思います。あと、前置き長いです。
FTPを上げるための簡単な目安
まずFTPって何だろう?
FTPというのは英語で書くと、Functional Threshold Power。日本語にすると機能的作業閾値パワー。つまり1時間出し続ける事ができる最大パワーということです。
冒頭で書いたようにW(ワット)で表現されます。
このW(ワット)というのは、ロードバイクのクランクに付けたパワーメーターで計測する事ができます。
W(ワット)を知る事によって得られるメリット
W(ワット)を知ることによって、自分がどれくらいの強度でロードバイクに乗っているのかを把握できます。
今日は頑張ってトレーニングできたぞ!と思っても、それは自分の主観なので、実際には自分の体調が良くなく、頑張ったつもりでもそれほど強度高くトレーニングできていないかもしれません。
パワーメーターを使用して、W(ワット)を知ることで完全に客観的に自分のトレーニング強度を知ることができます。
また、巷にはW(ワット)を使用したトレーニングメニューが溢れるほど紹介されており、それらのトレーニングメニューを使用する事で効率的に自身の体力を上げることができます。
パワーメーターを使用する際の注意点
このように、W(ワット)を教えてくれる便利なパワーメーターですが、使用する際の注意点がいくつかあります。
校正(キャリブレーション)を行う
走る前にしっかりと校正(キャリブレーション)を取らなければ、パワーメーターが正確な数値を検知しません。
パワーメーターにはいくつか種類がありますが、一般的によく見るのはクランクにセンサーを取り付けて、クランクの歪みを歪みセンサーで検知するタイプです。どれほどクランクが歪んだか検知することでクランクを踏んだ時のパワーを計測するタイプです。
気温や気圧によってセンサーの働きが異なるようなので、正確な値を検知してもらうために、走る前には校正(キャリブレーション)をしっかりと行ないましょう。
* パイオニアのように自動的に校正をとってくれるタイプもあります。
レースの時はあまりパワー値を見過ぎない
レースの時は自分の能力以上のパワーが出るものです。
でもパワーメーターの値を見過ぎてしまうと、自分自身で+αのパワーを制御してしまうことになります。なので、1時間程度のヒルクライムレースの時にはパワーメーターを見ないことをお勧めします。
ただ、数時間の長距離レースの時には、自分のペースを把握することにつながるので使用しても良いでしょう。
FTPの計測の仕方
FTPの計測の仕方は正確にはGoogleで検索してもらいたいですが簡単な方法としては、ガーミンエッジでFTP自動検知機能を使うことです。
ZWIFTでFTP計測メニューがあるのでそれを使うのも良いでしょう。
1時間計測するメニューと20分で計測するメニューがありますが、私は20分計測をオススメします。FTP計測は辛いので。
一番良いのは20分以上登るヒルクライムレースで計測する事かもしれません。私はヒルクライムレースに参加すると大体FTP更新できます(笑
FTPの使用の仕方
TSS計測、ATL、CTL、TSB管理でトレーニング強度と自分の体調管理をする
FTPが分かると、TSS(Training Stress Score)を計測することができます。
トレーニングストレススコアというのは、自分がどれだけの強度でトレーニングしたのかを把握するための一つの指標になります。
TSSはガーミンなどのサイクルコンピューターで計測することができます。
TSSが100と計測された場合、そのトレーニングがどれくらいの強度であったのかというと、1時間 FTP強度でペダルを回した時の強度となります。
2時間でTSS100としても、身体にかかったトレーニングストレスは1時間全力で走ったものと同等ということになるでしょう。(実際のトレーニングの濃さは違うと思いますが)
TSSはFTPの値によって上がり度合いが異なります。
同じ240Wで1時間走り続けたとしても、FTP240Wの人とFTP300Wの人ではTSSの値が異なります。FTP240Wの人はTSS100稼ぐことができますが、FTP300の人はTSSは100以下で計測されます。
TSSが計測できれば今度はATLやCTL、TSBという値を計測する事ができるようになります。
ATL:直近7日間程度のトレーニングの影響を数値化したもの
ATLが急激に上がりすぎるとオーバートレーニングになる可能性があります。
1週間で70以上数値が上がるようであればトレーニングの内容を見直す必要があるようです。
CTL:長期間42日間程度のトレーニングの影響を数値化したもの
CTLが高いほど体力レベルが高いという事です。ただ、CTLが高いからと言って常に高強度でライドできるのか?と言われるとそうではなくTSBという値も調整していく必要があります。
社会人チャリダーであればCTL80程度が目指すところであり、選手であればCTL100以上は欲しいところ。ワールドツアーレベルの選手であればCTL150に達するようです。
このCTLの上がり幅は、CTL値と稼いだTSSによって異なります。
例えば、CTLが100あった場合、TSS100稼いだトレーニングをしてもCTLの値は上がりません。この状態でCTLを上げるためにはTSS100以上稼ぐほどのトレーニングを行う必要があります。
また、前述通り1回のトレーニングによって稼げるTSSはFTP値によって異なるので、CTLやATLを上げる際の辛さは社会人チャリダーでも選手でもワールドクラスの選手でも同じという事になります。
TSB:調子の良さを数値化したもの
TSBはATLやCTL、TSSの値によって上下する数値になります。
TBSがプラス値であれば元気な状態、マイナス値であれば疲れた状態ということになります。TSB値がマイナス20以下であると、質の良いトレーニングができないので、なるべくマイナス20以上の状態を維持しておいた方が良いでしょう。
TSBが低くなり過ぎると免疫が低下してしまうので、マイナス50や60の日が続くと風邪をひきやすくなってしまうので、休養が必要です。
ちなみにTSBはCTLが上がるほど下がりにくくなります。
CTLが高い=体力が高い状態であり、同じトレーニング量(TSS量)では疲れにくくなるということでしょう。
ATL, CTL, TSBの管理の仕方
ゴールデンチーターというアプリなどがありますが、私はエクセルで管理していたりします。
エクセルは下記のページから入手することができます。トレーニングした後にTSSを入力してCTLの状態などを見るのが毎日の楽しみだったりします。
本題:FTPを上げる簡単な目安
さて、ここまで前置きが長かったですが、FTPを測定したりすることで色々なことができる事が分かったと思います。
かなり乱暴に言うと、同じ体重で、同じ機材を使い、同じフォームで、同じ環境で、同じ身体的コンディションで走ればFTPが高い方が速く走れることができます。
では、どのようにすればFTPを上げる事ができるのか?
SST強度でのトレーニングを続ければFTPは上がる、LSDでも長時間走れば上がるというようなものをネットや本で見かけますが、その中で私が一番腹落ちしたのは「TSS4000で1W上がる」というものでした。↓
私自身、毎月3700くらいTSSを稼ぐくらい乗ったことでFTPが上がってきています。
2020年1月:TSS2441
2020年2月:TSS1957
2020年3月:TSS1910 FTP240→241W
2020年4月:TSS2207
2020年5月:TSS4183 FTP241→242W→244W
2020年6月:TSS3798 FTP244→245W
2020年7月:TSS3708 FTP245→247W
ね、徐々に上がってきている。
むやみやたらに走り過ぎても意味がないという人もいるかも知れないけど、それはFTP350W以上の人達の話で、FTP300W以下の人達はとにかく走る量が少ないと自分自身含めて感じる。
インターバルトレーニングを増やした方が良いとかSSTで走った方が良いというような技術的な部分も需要だけど、それをやりながら、TSS4000をひとつの目安としてトレーニングをしていくのがFTPを上げるための簡単な方法かと思います。
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