富士3PEAKS失敗、、、

01-ライド

このGW、何かしたいなーと思いながらも仕事に忙殺されて何も考えられずにいた。

キャノンボールやりたかったけど、天気が悪いし、まだ東京に行く勇気が湧かない。

前半は奥さまの実家、愛知に帰ることは決定事項。

1日、お暇をいただきロードバイクに乗ろうかと思ったけど、どこを走ろうかな〜?っと思い、富士3PEAKSでもやるか!ってノリで決めた。

Twitterで呟いたら、この時期、寒いですよ?というコメントをいただいたけど、まぁ、暑すぎても嫌やしな〜と思いながら、下は夏用ビブ、上は冬用の裏起毛ジャージとインナー。ジャケットは持っていかず、レインウェア。シューズカバーは一応持って行ったけど、グローブは簡易的な冬用グローブ。

決行日は4月30日。29日に奥様の実家へ車で行き、22時に寝て、夜中の2時に起きて3時に出発して静岡へ。

富士3PEAKSは、富士山を一周しつつ、富士山の五合目まで登る三つのルートを登り切るというチャレンジ。

距離は200kmちょい、獲得標高は5000mちょいup。間違いなく変態チャレンジだ。笑

三つのルートは
・富士スバルライン
・富士あざみライン
・富士スカイライン

有名なヒルクライムレースが行われるのは富士スバルライン。(スカイラインやと思ってたw)

一番過酷なのは、富士あざみライン。

以前、富士国際ヒルクライムに出た事があって、その時に経験したあざみラインの印象が強烈過ぎた。散々登らされた後、ラスト区間で暗峠が出没するって感じのコース。プロでも蛇行しながら出なければ登れない。

なので、脚のあるうちに登っておきたかったから、あざみラインを初っ端にもってくるべく、道の駅すばしり、へ。

6時半に着いて、朝ごはんはコンビニの牛丼。既に辺りは明るくなっていて、いそいそと準備。

昨晩に富士3PEAKSをやった人のブログを眺めていたら、ストラバのルートがある事が分かった。一応、それをガーミン君に入れておいたので、早速ガーミン君のナビをオン。

その時、致命的な失敗をした。

ガーミン君がスタート位置に行きますか?みたいな表示を出したのでYESを押したら矢印が現れた。

てっきり、道の駅すばしりがスタート地点で、そこからあざみラインへ行くものだと思い込んでいた。

少し走ったら坂が現れて、この辺がスタートかーなんて思いながら進んでいたら、籠坂峠、という標識が見えた。あれ?と思いながら降って行ったら、湖が現れた。

ここでやっちまったーと気づいた。
そう、ガーミン君に入れたルートのスタート地点はスバルラインやったんだ。

既に結構距離来てしまっているし、諦めてスバルラインから登る事にした。でも、そうなると、スバルライン→スカイライン→あざみラインの順番になってしまう。

いきなりブルーになって来た。でも仕方が無い。取り敢えずスバルラインへ。

スバルライン、、、長いぞ?獲得標高が1700mくらいあるが、距離も27km位ある。これは、かなり長丁場になりそうだ、、、。

8:30に登り始める。

富士ヒルクライムのコースやからと言って変にアゲアゲで走ったら、この一本で終わってしまう。

それにしても登ってくる人が多い。確実に1ヶ月後のヒルクライムレースを意識した感じやろな。ガチ勢が多い。ありえない速度で駆け上っていく。重力無いんかい?

タイム狙うなら試走は必須なんやろな。レースか?と思うくらい多くの人が登っていた。

大勢に抜かれながらも淡々と登る。長い。。。そして上に登るにつれて寒くなってくる。

そりゃ、富士山に雪が残ってるんやから当たり前か。

でも、そんな環境でもガチ勢は夏用の服装でヒラヒラと登っていく。すげえな。

何時間登ったか分からないが、11時30分頃に五合目到着。おいおい、まだ1PEAKS目なのにスタートから4時間半かかっちまったぞ。

ちなみに、スバルラインのスタートから上まで3時間。富士ヒルクライムのコースで言えば、2時間32秒。途中でトイレ休憩入れたり、のんびりペースで登ったにしては悪くないタイム。シルバーは無理かもしれないが、ブロンズなら行けそうな気がする。

出ないけどw

写真を撮って急いで降る。

登ってすぐ、鹿の家族が8頭道を横切ったのを見た。Twitterのフォロワーさんからも鹿に気をつけて、というアドバイスを貰っていたので、ゆっくり降る。

寒い。物凄く寒い。手がかじかんで握力が、、、これはヤバいと思って途中休憩。

上からガチ勢は夏用グローブなのにガンガンに降ってきている。凄すぎやで。

長〜い下りを終えて、1PEAKS目終了。獲得標高で1800m程度やった気がする。

次に向かうは富士スカイライン。この時点で既に12時を過ぎていた。おにぎり2個食べる。

ここで早くも補給食が無くなった。というより、補給食を買って来ていなかった。

富士山の周りやし、コンビニたくさんあるやろ?コンビニで買おうとしか思っていなかった。これも致命的なミスやった。

スバルラインからスカイライン。これが、、、長かった。どんどんと過ぎていく時間。焦る。アップダウンが激しい。まだ2000mup程度しかしてない。

コンビニが無い、、、。補給食を買えない。。。BCAAはボトルに半分ほど残っている。

スカイラインの入り口(ゲートでは無い)に着いた時間は13時50分。登り初めてガーミン君の表示で愕然。

28kmもある。。。スバルラインとほぼ同じ距離だ。スバルラインでは3時間ほどかかったから、単純計算で同じくらいかかる。

スカイライン終わったら大体17時30分位か、、、そこからあざみラインへ1時間で移動したとして18時30分から登って、21時位に終了か?

登りながら計算して、この時初めてDNSが頭をよぎった。

途中寄ったトイレに張り紙で【熊目撃情報有り】と写真が貼ってあり、超ビビる。ここで完全に気力が萎えた。

しかもスカイラインはスバルラインと違ってロードバイクが全く居ない。。。上から降りて来たのもたった2人。

今、思えばその2人も良く降りて来たな〜と驚きを隠し切れない。

前はガスっていて視界が超悪いし、下から車はバンバン走ってくる。

森からピーピーと笛の様な音が聴こえる。。。一定の間隔で音が鳴るから誰か遭難してるのでは無いか?とかなりビビる。まだ4時なのに辺りが暗くなって来て、だんだんと心細くなってくる。

途中、上から降って来た車が止まって、窓を開けて山の上を見ていた。「あ〜、本当だ〜!いた〜!」という様な事を叫んでいた。

何がいたのか?まさか、プーさんか?と思ったが、ここで振り返って目が合ってしまったら万事休すだ。車の奴らは良いが俺はアウトだ。

取り敢えず、ペダルを踏む脚が30Wほど増えたことは間違いない。

そこに来てハンガーノックが来た。
100m登っては休んでの繰り返し。もうアカン、引き返そう、と思ったが、せめて2PEAKSはしたい、という想いが判断を誤らせた。

登っていたら、上から軽トラで降って来た管理人?の様な人に「気をつけてな〜!!」と声をかけてもらったのだが、そこで引き返せば良かった。

でも、あともう少しやったので無理して登ってしまった。ラスト付近で抜かされた車ではガキんちょが俺をスマホで撮っていた。

そりゃ、こんなガスっている富士山の五合目付近で自転車乗ってる奴がいたら写真も撮りたくなるわな。笑

瀕死の状態で五合目到着。
五合目に食事処くらいあるやろ?と思って探したが無い、、、。マジで?と思いながらも一応写真だけ撮る。

この時点で17:15。降って18時。あざみライン着くのは19時か、、、。ここではっきりDNFを決断した。

普通のロングライドなら夜通し走るのは苦では無い。むしろ、そんなライドばかりしてきた気がする。

でも、ここは霊峰富士。暗い中、一人で熊や獣が飛び出して来そうな山を登るのは危険極まりない。しかも、ラストに残っているのがあざみライン。ここまでハッキリ無理な現実を突きつけられると逆に清々しく決断できた。

ダウンヒル開始。
寒い。寒すぎる。素肌が出た脚。薄手の冬用グローブ、レインウェアでは話にならない。

身体が芯まで冷えてしまい、身体が震えてハンドルがブレブレに振れる。

これは危険すぎると思って自転車を止めて、身体が少し暖まるまで歩いて降る。

夏用ビブで露出した美脚は冷えのせいで赤く変色している。

指も凍傷になるのでは無いか?と思うレベルで冷え切ってしまった。

かなり心細い。身体の冷えと震えが治らない。

まだ下りは20km近く残っている。。。マジでヤバいかもしれない、と死が身近に迫って来ている事を知る。

このまま歩いて降ったら確実に死ぬ。まだヤバいと感じる判断力はある。判断力が失せる前に何かを判断しなければならない。

取り敢えず、握力が戻ったら自転車に乗って少しずつでもガッと降る事にした。1km降って休んでを繰り返しても20回繰り返せば下には着く。何もしなければ、まさに「座して死を待つ」事になってしまう。

降り始めるも、やはり少し降ると身体の震えが再発してバイクを降りなければならない。

それを何度か繰り返しながら降る。15kmほど降ったら若干空気が暖かくなって来た。そうか、下はまだ暖かいんやな、と気合を入れ直す。

スカイラインのゲートをくぐってT字路。迷う事なく来た道を降ったら、ガーミン君から「道ちゃうで!」と警告が。

あれ?マジで?と思いながら、地図を思い出す。で、ガーミン君が間違えている、と判断。

ここもミスった。自分が今いる地点と、自分が思っていた地図上の地点がズレていた。

あまりに寒く、指先の感覚も無かったので、バイクを止めてグーグルマップで確認するという行為を怠った。

今回、多くミスしたが、これも大きなミスやった。

九死に一生を得て何とか降り切ったところに自動販売機発見!ホットな何かをとにかく飲みたかった。

痺れる手でお金を出してホットコーヒーを買う。一気飲みしたらきっと身体が驚いて良からぬ反応を示す可能性があるので、取り敢えず脇の下と心臓に缶を当てて身体を温める。

ある程度、身体の震えが治まってからゆっくりと飲む。マジで美味かった。身体に染み渡る。細胞の一つ一つが生き返るのが分かる。

一息ついて、現在地を確認したら、見事にコースミス。

ガーミン君の言う通りの方向に降らなければならなかった。正規ルートに戻るには、今、降って来た道を登り返さなければならない。

「嫌だ」

ハッキリ頭が示した。
今来た道をまた登って、また、死にそうな寒さの中、ダウンヒルをしたくない。

地図を確認したら、大回りして道の駅すばしり、へ戻る道がありそうやったので、そちらで帰ることに。

これが正解であったのか、間違いであっまのかは分からないが、結果的にかなり登らされるハメになった。

でも高度が低いから、寒くは無い。それだけでも助かった。

既に獲得標高は4000mを超えている。あざみラインを登れたら獲得標高5000mで終了できただろう。でも、流石に今回は無理やな、と思いながら走るもなかなか登りが多い。

ガーミン君のバッテリーが切れ、スマホのバッテリーも切れた。

やばすぎる。

何とか見つけたコンビニでスマホのバッテリーを購入。Googleマップを起動させて、片耳イヤホンでルート案内通りに進んで何とか道の駅すばしりに到着。

雨は降ってるし、散々なゴールやった。

結果、ストラバ的には205.84km 4659mupやったけど、ガーミン君のバッテリーが切れてからもずーっと登りっぱなしやったから、最終的には5000mupしてたと思う。

結果的に3PEAKSの獲得標高とほぼ同じ位登ったわけだが、達成出来なかった事に変わりはない。

絶対に余裕で達成出来ると思っていたのだが、甘かった。完全に富士山を舐めていた結果だ。

反省点は【準備不足】に尽きる。

・ルートをしっかり確認してなかった
・補給食を準備してなかった
・気温の確認を怠り、服装をしっかり準備してなかった
・タイムスケジュールを考えてなかった(もっと早く、空が少し明るくなって来た位の時間からスタートすべきやった)

他にもいろいろと細かい点はあるが、大きくはこんなところだ。

でも、何となく難易度が分かったから、次回は完走できると思う。次は出来れば夏にリベンジしたいと思う。

何やかんやで21時頃に道の駅すばしりを後にして、温泉に入って高速で奥様の実家へ帰宅。2:30。

まる24時間のチャレンジやったw

結果的に3PEAKSは達成出来なかったけど、得るものは多かったし、それでも5000mup位は経験した。長くなった鼻をへし折られたのも良かった。

これで良い状態でPEAKS榛名山臨めそうだ。


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